キューバンルンバと琉球舞踊
競技ダンスの話が出たついでに、下欄にやはり葉書通信を引用。25号(1997・8・11)
日本舞踊をやっている方が琉球舞踊にチャレンジしたいというが、踊りの素地があるから簡単でしょう?、という言葉を聞きました。確かに一理ありますが、ある期間癖を直すのに苦労することになると思います。特に日本舞踊は「しな」という微妙なニュアンスがありますよね。私の経験をお話ししてみます。
ヤマトゥに来て、競技ダンスの中の特にラテン系の踊り(キューバンルンバ、サンバ、チャチャチヤ、ジャイブ、パソドブレ)の軽快なリズムにはまってしまった私は、当時活躍していた有名なダンサーの経営するスタジオ通いが始まります。間もなくホテルでのディナーショー出演を言われ、益々レッスンに力が入りました。ショーで踊ることになっていたキューバンルンバのウォーキングを、どれだけ練習した事か。
キューバンルンバは、追う男と追われる女の恋愛模様を表現している踊りだと言われておりますが、そのウォーキングに特徴があります。教師のアドバイスでは、足首に鎖をつながれた囚人のように、腰は∞の字のようにくねらせて歩くという事でしたが、それが難しい。当時は、会社でも長い廊下を見るとついそのウォーキングスタイルで歩いていたものです。
その歩き方がすっかり身についてしまっていた私が、ある時から一種の義務感で琉球舞踊を始めるようになった時、琉球舞踊の基本と言われている「かぎやで風」のあの簡単な歩きができない。石垣在の時は難なくやっていたはずなのに、です。そのラテンダンスの癖は至るところに出ているようで、修正にかなりの期間を要しました。今でもすっかりという訳ではないのですが・・・。
という事でその「葉書通信」のご紹介。
精霊のひそむが如しダンスシューズに履き替へし時に湧きくる力
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